自分に合ったものを一生懸命
DATE 2021.02.13
こんばんは。今回は新作『いつでも帰っておいで』についてです。
今は「ふるさとの季節 ~夏~」のパートを制作中です。
この作品で伝えたいこと、というと大げさですが、
時代の移ろいにつれて少しずつ霞みそうになっている、
でもとても大事なものを描き表そうとしてるのかな、と感じます。
大事なものが何なのか、言葉で表すことは難しいですが、
きっとそれは、
どうにもしようがない切なさだったり、
ちょっとしたことで嬉しくなったことだったり、
悲しんだり、幸せな気持ちになったり、
そういうことなんだと思います。
男も女も、子どもも高齢者も関係なく、
この作品から「感じるもの」を好きだと感じてくれる全ての人たちに向けて、
生きるということは悲しいことが多いけど、切ないけれど、
それでも素晴らしいことなんだね、と
この作品を読み終えたとき、具体的に何故というわけではなく、じんわりと思える
そんな作品にしたいです。
僕は今のところ、何か実績があったり、
大勢の人に評価されているわけではありませんが、
それでも今の作品を一生懸命描くことはきっと価値のあることなんだと信じて、
この作品の登場人物たちと強く歩いていきたいです。
大勢の人に届けられることは素晴らしいことだと思うし、
世間から認められている人たちを見ると、
そういう人たちと比べようとしてしまったり、
「数」の増減に凹んだり自信がなくなったり、
そんなこともどうしてもありますが、
やっぱり、人にはそれぞれ
「その人に合ったもの」がある気がします。
この作品の「ふるさとの季節 ~春~」でも書きましたが、
ふと散歩していたときに、誰かにほめられるわけでもないのに、
小さく、でも堂々と咲くタンポポを見て
すっかり汚れて、淀んでしまった心の中に、
小さな灯びが灯ったように、ホッとしたこと。
そのときの感覚を大事に、
道ばたに咲くタンポポのように、真摯に。
その先に評価があるのか、ないのか、今は少し置いといて、
自分が素敵だと思うことを一生懸命表現したいです。
現代ではなく、一昔前の日本を舞台にしたのは、
今回の作品で描き表したいものを、
「絵」として描くときに、一番違和感なく描けると思ったからです。
建物や、道具、服など、周りのものも人の手のぬくもりを感じさせるものが多いからです。
この作品が誰かにとっての小さな灯になれればいいな、と願って
描いていきます。
ちなみに、写真の「ふるさとの季節」は、
5年くらい前、初めて作った作品です。
今見返すと恥ずかしくてとても見れないです(笑)